歯周病は感染症です。
歯科の病気に関連して、歯垢という言葉をよく耳にされたことがあると思います。
歯垢は食べかすではなく、細菌のコロニーで、1rあたり一億の菌がいるといわれています。
皆さんは歯垢を 顕微鏡 で見たことはありますか?
人にもよりますが、いろんな菌がうようよいて気味が悪いです。
いい状態の場合は、球菌が穏やかに漂っています。
とても悪い場合は、活発に動く 運動性桿菌、運動性糸状菌 がいます。
重度の歯周病を引き起こすのは、レッドコンプレックスといわれている P.g 菌、T.f 菌、T.d 菌 の3種の菌です。
特に、T.d(Toreponema denticola) はよく見えて、重症化すると数が増えていくので、重症度の指標になります。 細いみみずのような菌で、うようよ動いていて「いかにも悪そう」です。
レッドコンプレックスに感染していれば、通常の 歯磨きと機械的清掃(歯石除去など) だけでは太刀打ちできません。
口腔衛生状態が改善されることが前提条件ですが、さらに 薬剤療法 の併用が必要です。
適切な時期に、特有の抗生剤 を投与します。 むやみに投与すれば、耐性菌を作りかねないので、適切な時期に歯科医師の判断で投与します。
その他、歯周ポケットに抗生剤を注入したり、日常の口腔ケアに必要な歯磨き剤などを処方します。
徹底的にやっつけましょう。
「長年苦しんできた痛みから解放された」との患者さんの声を聴かせていただくと、とてもやり甲斐があります。
歯科治療は今まで軽く扱われすぎてきました。
虫歯になっても命にかかわらないから
悪くなったら抜けばいいから
歯がなくても食べられるから
これらの間違った認識から内科的疾患と比べるとずいぶん軽視されてきました。
今では患者さんの認識はかなり変わり、検診のため受診する方々が増えています。
人の楽しみ、幸せのために不可欠な、人と会話すること、若さ・美しさを保つこと、そして健康維持のために不可欠な、栄養をしっかり取ること。 これらを支えているのが歯科医療です。
また最近では、歯周病菌が全身の健康に悪影響を及ぼすことも証明され、医療従事者の間では常識となっています。
信頼のできる歯科医療機関と連携して、予防も含め、お口の健康管理を行ってください。
皆さんは「生活習慣病」という言葉を耳にされた事があるでしょう。
日頃の生活習慣の積み重ねが病状に大きく影響する疾患の総称ですが、その意味で歯周病は生活習慣病と言えます。
幸いにも口の中は鏡で見る事が出来るため、歯周病の病状を自分で確認する事が出来ます。
歯茎を見てください。 歯茎に炎症があっても、適切なブラッシングをすれば・・・ 歯茎の腫れ、出血などは少しずつ改善されます。 鏡で見て実感、咬みやすさで実感できます!・・・ そして 生活習慣の重要性を実感できます! 更には、この成功体験を他の生活習慣病にも応用してはどうでしょう? 食生活、運動など日頃の積み重ねって大事です。 “ 継続は力なり” ですね。
でも、個人のみの力には限界がありますので、まずは 口の専門家 を頼りましょう。 定期的に「かかりつけ歯科医院」を受診して、歯磨き指導、歯石除去などの処置を受ける事がとても重要です。
口は消化器官の入口で全身の健康と密接な関係があります。 信頼のおける「かかりつけ歯科医院」を見つけてうまく付き合い、ご自身の口の中を末永く健全に保ちましょう。
待ち時間は無くしたい! 自分が受診する立場でも、長く待つのは嫌ですのでそれは承知しています。
待ち時間だけで医院を選ぶ事はありませんが、待ち時間は無いほうがいいです。 当たり前のことです。
しかし、医療は緊急処置が必要な場合があり、「この症状には、ここまでの処置はしておかないといけない」という事があります。 歯の痛み、歯茎の痛み・腫れ、歯の打撲などによる症状は、緊急の適切な処置により軽減、消退させることができますので、これを断ることは出来ません。
大槻歯科医院は予約制ですが、初診・急患は予約患者さんの間に入っていただくようにしており、そのために少し余裕をもって予約時間を取っています。
それでも少し待ち時間が出る事もあると思いますが、前述の医療の特異性をご理解いただき、ご容赦ください。